HISTORY OF YUAI GAKUEN
1954年(昭和29年)、武蔵野・三鷹地区で、障がいのある子どもたちの親が「むさしの手をつなぐ親の会」を立ち上げました。「自分たちがいなくなった後も、子どもが安心して生きていかれるように」という切なる願いは、少しずつ、歩みを進めていきました。
1957年(昭和32年)、三鷹市議会議員の故箕輪菊江氏のご好意により、三鷹市大沢の屋敷裏庭に60坪の園舎を建て、知的障害のある30名の子どもを受け入れます。これが友愛学園の開設でした。
「友愛」の名前にこめられた想い
友愛学園は、実川博・千行夫妻を中心として、障害のある子どもたちの母親が一緒になって立ち上げたものです。
そこから、「仲間」で作り上げたものであるという意味をこめて「友愛」と名付けたと伝えられています。
子どもたちへの理解を求めて
施設建設へ向けた10円募金活動は、2年以上に渡りました。母親たちが幼児の手を引き、汗を流して10円募金の家庭訪問をしましたが、当時は障害のある子どもたちへの理解が難しい時代。お金を投げつけられることもあったそうです。
頭の弱き子を持つ母の数人かと 吾は小さき施設作りぬ
おろかしき吾が子の上に幸あれと 夜半の寝覚めに ひたと抱きつつ
坊や坊や お前の母は私よと 吾が鼻を指し 子の鼻を指す
実川千行著「うつり香」より
初代理事長の言葉にあるように、我が子への愛情こそが行動のチカラとなり、友愛精神の起点となりました。
当時は、議員であった創設者の実川博先生が、議会で「子どもたちの食費は野犬の収容費よりも少ない」と訴えていた時代です。苦しい状況でしたが、理解ある方たちが畑でとれた野菜をそっと差し入れしてくださるなど、友愛学園の想いは、少しずつ受け入れられ、社会へと浸透していきました。
理想をめざして成木へ
三鷹市大沢で10年が過ぎた頃、学園での生活希望者が増えました。また歳を重ねていく子どもたちのために成人期の生活確保が必要となるなど、新たな課題も出てきました。
そこで1966年(昭和41年)に現在の青梅市・成木へと移転し、緑に恵まれた環境で、施設を拡張していきました。
友愛の碑
実川博先生:同士と共に友愛学園を設立した実川博先生は、終生理事長として学園の基礎を築き、また教育者・社会福祉実践家・政治家として“命あってこそ”の信条に燃えて、常に“先行後私”を旨としつつ、世のため人のために尽くした博愛信義の歩みでした。この友愛の碑は、その精神を後世に伝えるものとなっています。
友愛学園の沿革
1957
- 昭和32年4月
- 「むさしの手をつなぐ親の会」により三鷹市において開設
- 昭和32年7月
- 知的障害児(精神薄弱児)施設として認可を受ける
- 昭和32年10月
- 社会福祉法人の認可を受ける
1966
- 昭和41年8月
- 青梅市成木2丁目107番地に園舎及び職員宿舎を新築し移転
1969
- 昭和44年4月
- 敷地内に知的障害者(精神薄弱者)友愛学園成人部を開設。
知的障害児施設を友愛学園児童部と改称
1979
- 昭和54年3月
- 成人部作業訓練棟新築
1988
- 昭和63年4月
- 友愛学園成人部園舎増改築 定員増
1991
- 平成3年3月
- 友愛学園児童部生活棟改築 定員減
- 平成3年7月
- 東京都緊急一時保護事業実施
1996
- 平成8年4月
- 羽村市心身障害者(児)ショートステイ事業受託
1997
- 平成9年6月
- 東京都要綱に基づくグループホーム(知的障害者生活寮)「とも」を開設
2003
- 平成15年3月
- 羽村市心身障害者(児)ショートステイ受託 契約終了
- 平成15年4月
- 知的障害者(児)期入所及事業開始
自立訓練棟「ほっぷ」竣工
2004
- 平成16年5月
- グループホーム(知的障害者地域援助事業)「すてっぷ小中尾」を開設
2005
- 平成17年10月
- 成人部生活棟のユニット化、個室化改修工事竣工
2006
- 平成18年10月
- 児童部が改正児童福祉法による指定知的障害児施設となる
自立支援法に基づく共同生活援助・共同生活介護事業として「とも」、「すてっぷ小中尾」が指定を受ける
西多摩地区の市町、飯能市等と契約し、日中一時支援事業を開始する
2007
- 平成19年4月
- 東京都から委譲を受け「青梅福祉作業所」事業運営開始
(就労継続支援B型・就労移行支援事業・生活訓練事業・相談支援事
業)
2008
- 平成20年6月
- 渋谷区から受託し、渋谷区障害者福祉センターはぁとぴあ原宿の事業運営を開始
(生活介護事業・施設入所支援事業・短期入所事業・児童デイサービス・児童言語聴覚療法事業・日中一時支援事業・ミドルステイ事業) - 平成20年7月
- 「すてっぷ小中尾」のユニット「ハウス小嶺」を開設
「とも」のユニット「とも」Ⅱを開設 - 平成20年10月
- 青梅市から受託し、青梅市障害者就労支援センターの事業運営を開始
2009
- 平成21年8月
- 居宅介護事業所「すまいる友愛」の指定を受け運営を開始
2010
- 平成22年10月
- 「友愛学園成人部」は、自立支援法指定事業に移行
(生活介護事業・施設入所支援事業・就労継続B型(仕事人Bee))
2011
- 平成23年1月
- 友愛学園成人部短期入所事業を開始
- 平成23年9月
- 青梅福祉作業所建替工事竣工
2012
- 平成24年3月
- 居宅介護事業所「すまいる友愛」を廃業
- 平成24年4月
- 「友愛学園児童部」は児童福祉法の改正により、福祉型障害児入所施設となる
はぁとぴあ原宿「児童デイサービス事業」は、児童福祉法の改正により、「児童発達支援事業」となる - 平成24年6月
- 放課後等デイサービス事業所「友愛こどもクラブとことこ」を開業
- 平成24年10月
- 仕事人Beeの事業を青梅福祉作業所就労継続B型事業に移管
2013
- 平成25年10月
- 相談支援事業所「おおぞら」を開設
(青梅福祉作業所の相談支援事業を廃業)
2014
- 平成26年4月
- 「はぁとぴあキッズ分室」を開設
2015
- 平成27年9月
- 「すてっぷ小中尾」のユニット「やまなみ」を開設
- 平成27年12月
- 天皇陛下より御下賜金を拝領
2016
- 平成28年5月
- 「はぁとぴあキッズ分室」を廃止し、「代々木の杜ピア・キッズ」の事業運営を開始
(児童発達支援事業・放課後等デイサービス事業)
2017
- 平成29年9月
- 「すてっぷ小中尾」のユニット「ハウス小嶺」を廃止し「あすなろ」を開設
2018
- 平成30年3月
- 青梅福祉作業所の自立訓練(生活訓練)を廃止
- 平成30年4月
- 障害児相談支援事業所「代々木の杜ピア・キッズ」の指定を受け運営を開始
- 平成30年9月
- グループホーム「とも」、「ともⅡ」を廃業
- 平成30年10月
- 青梅福祉作業所就労定着支援事業を開始
2020
- 令和2年6月
- 代々木の杜ピア・キッズ保育所等訪問支援を開始
2021
- 令和3年4月
- 渋谷区から受託し、渋谷区くるるえびすの事業運営を開始
- 令和3年7月
- 「すてっぷ小中尾」のユニット「そらふね」開設
2022
- 令和4年1月
- 「すてっぷ小中尾」のユニット「フォレスタ」廃止
2023
- 令和5年10月
- 「代々木の杜ピア・キッズ」児童発達支援センターとしての運営を開始
2024
- 令和6年1月
- 地域交流プラザゆうあい開設